検査室に能天気な「メリーさんの羊」のメロディーが鳴り響く。
「しまねこさーん、オタクの機械が呼んではりまっせー」
自動分析機(オートアナライザー)のアラーム音が今は携帯の着メロ風になってしまっている。
やれやれ何のエラーかな?と
自分の担当の分析機に駆け寄って、メッセージを確認。
はいはい、分析試薬が無くなったのね。
とアラームを止めて、試薬を補給する。
いちいち機械の所まで行ってエラーを確認してアラーム音を止めないといけない。
こんどは別の分析機から「It's a small world」や「エリーゼのために」が鳴りだした。
機械の分際で人間様を呼びつけて働かせるのが腹立たしい。
AI(人工知能)を載せて、
音声応答とか自己判断が出来るといいんだが。と妄想してみる。。。----------------------
分析機 「すんまへん、すんまへん」
技師 「なんや?この忙しいのに」
分析機 「旦那さん、もう試薬がおまへんで」
技師 「わかった、冷蔵庫にあるから、自分で補給しとき」
分析機 「へーい」
これなら、楽かも。うるさいのは一緒だけど。
分析機 「あんつぁー、あんつぁー」
技師 「ん?なんだあ?」
分析機 「廃液さ、すこたまだべっちゃぁ。ちゃっちゃと捨ててけさい」
何で言語設定が山形弁やねん。。。
ちゃんと関西標準に直しとけよ。。ぶつぶつ。
メインメニューから言語設定と、、
えーと、鹿児島弁に広島弁、出雲弁、ウチナーグチ(沖縄弁)なんてあるのか、、誰や、「メイド」とか「ツンデレ」「女王様」モードの設定ファイル入れたのは
まったくもう、、ん? 何やこれ「「KOJUTO」」モードって
どれどれ、ポチッとな。
「バーコードが読めませんよ、真っ直ぐ貼ってよ」
「試薬ボトルは正しくセットしてね」
「ほらほら、早く次の検体をセットして..」
「サンプルノズルの先端が汚れてますよ」
「ちゃんと掃除したんですか?」
「サンプルカップにホコリが..」
「白衣が汚れてます」「フケを落とすな」「歯磨けよ」「お風呂入ったか」「宿題やったか」....
ねちねちねちねち....

「ひえー、勘弁してくれー」
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「しまねこさん、何をウンウン言ったはるんですか?
あーっ、居眠りしてる場合ちゃいますよ。廃液タンクが満杯でダダ漏れしてますがな。床がびしょびしょでっせー。
何でアラームをオフにしてるんですか?」